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ここは自分の好きな事をダラダラと物申すブログです、不定期ですが(苦笑)
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詩人の詩が竪琴の音色に合わせて静かに流れる

『・・・昔々、さる国に一つのサーカス団が有った。
そこには団長を始め、数多くの大道芸人が集まっていた。
彼らは、団長の指揮の下、日夜人々を楽しませ、笑顔にするためにその芸を披露した。
その中にたった一人、自由気ままに動くピエロがいた。
彼は普通の人とはすこし違っていた・・・ピエロは喋ることが出来ませんでした、そして彼は他の人達の言葉も理解することが出来なかったのです・・・。』

――――――――――――――ポロン。

それは、詩という形で刻まれる、とある一人のピエロの物語り・・・。

『しかし、それでもピエロは人気者でした。
彼は、団員一人一人がそれぞれが得意としていた芸を練習していました・・・その頑張る姿は団員一人一人がいつも見ていました。
・・・ある時、皆は気づきました。
彼はいつでも笑顔だったのです・・・そして、それはつまり、彼がそれ以外の表情を知らないという意味でもあったのです。
彼はいつも、いつでも皆の劇を練習しました・・・それをやる以外、彼は何も知りませんでした。
それでも・・・そうだとしても、ピエロは皆から可愛がられていました。
皆にとって、彼は自分達のとって大切で大好きな家族だったのですから・・・。』

――――――――――――――ポロン

詩という形で刻まれてくピエロの生涯・・・それは、詩を聞くものたちに唯の言葉よりも明確に心に浸透していった。

『そんなある日のことだった・・・ピエロが流行り病に倒れたのは・・・。
皆は交代で休む事無く、彼を看病した・・・そのような日が何日・何十日と続いた・・・。
だが、流行り病は一向に治ることはありませんでした・・・。
そして・・・ある日、朝日が昇る頃・・・ピエロは静かに息を引き取りました。』

――――――――――――――ポロン

『それからと言うもの・・・団員達はろくに食事も喉に通らないほど嘆きました。
嘆き、嘆いて、嘆き続けた・・・。
ある夜のこと・・・団長はサーカスの舞台の方でなにやら物音がするのを聞きました。
皆は疲れて眠ってしまってるはずなのに聞こえる物音に、団長は泥棒かと思って忍び足で舞台の方に向かいました。
そっと・・・舞台を覗くと、そこには団長の予想を遥かに裏切った光景が広がっていました。

・・・そこには亡くなった筈の、あのピエロがいたのです。
団長は驚きの余り腰を抜かしてしまいました、しかし、ピエロは聞こえていないのか、何やらずっと動き回っていました・・・。
それを見て、団長はハッ・・・としました。
そう・・・ピエロは練習をしていたのです。
ピエロが団員一人一人から教えてもらった芸を、彼は一人で練習をしているのです・・・。
やがて、物音で目を覚ました団員達が起きてきました。
そして、彼らは一様にソレを見て驚きました・・・ピエロが幽霊になっても練習をしているその光景を目にして・・・。
団員の一人は、その姿を見ていられず、ピエロを止めに・・・休ませようとして・・・団長に止められました。
団長は黙って見ているように言いました・・・やがて、ピエロは全ての芸を終えたのか、軽やかに地に立つと、ゆっくりとお辞儀をしたのである・・・まるで、そこに大勢の観客が居るかのように・・・。
ソレを見た、団長たちはやがて目を見合わせあうと、とある準備をし始めたのです・・・何故なら、彼らはその心にある決意をしていたのですから・・・。』

――――――――――――――ポロン

『ソレから、しばらくたった、ある夜の事です。
またピエロは一人舞台の上に立っていました・・・。
ピエロはいつもと同じく、サーカスの中央、団長が立つお立ち台に上り、お辞儀をしました・・・。

・・・すると。

サーカス全体に蝋燭の灯火が・・・タイマツの明かりが灯ったのです。
その輝きが舞台を照らし出しました。
ソレと同時に、ピエロの見上げる観客席に多くの人々が集まっていました。
夜中の町を包む大きな拍手・・・それをピエロは見つめていました・・・それは驚いているようにも見えます。
ピエロがふと自分の背後を振り返りました。
そこに立っていたのは自分の家族達・・・団長が・・・仲間達が立っていました。
皆、笑顔で拍手をしているのをピエロは見ました。
その笑顔は自分に『大丈夫!』と励ます様に・・・『頑張れ!』と背中を押すように言っているようでした。

団長達はあの時から今日この日まで、ピエロの為に走り続けてきました。
唯、物言わぬ彼のたった一つの願いをかなえるために・・・。

やがて、ピエロは一瞬・・・ほんの一瞬うつむくと、パッと顔と両手をあげ、クルッとその場で周囲を見渡すように周るとサーカスショーを始めました。』

――――――――――――――ポロン

『それから、夜を通してピエロをが主人公のサーカスショーを繰り広げました。
まるで、夢の様な一夜の出来事でした・・・しかし、どのようなモノにも始まりがある様に、終わりが訪れます。
ついに、最後のショー・・・ピエロと団員・動物達のパレードも終わりを告げました。
壮大な拍手に包まれ・・・ピエロは嬉しそうに両手を挙げて、自分を囲む全ての人達に応えました。
そして、夜明けの時がきました・・・その時、その場にいる全ての人達が見つめる中でピエロの体が

        キラキラ            
                                        キラキラ
                     キラキラ

と、光の粒子となって天へと上り始めたのです。
その姿を見つめながら、団長や仲間達は拍手で見送ります・・・中には、涙を流す物もいました・・・しかし、それでも笑顔でピエロを拍手と共に見送ります。
ピエロの姿が夜明けの光に包まれ霞んで消えゆく、最後の瞬間・・・ピエロは団長や仲間達の方へ振り向き、その笑顔を向けました・・・

そして、それを見ました。

開かれることの無かった口が何かを紡いだ・・・
ほとんど霞んで見えない体で・・・その手を大きく振った・・・。


――――――――――――――――バイバイ――――――――――――――――


鳴り止まない拍手がいつまでも・・・いつまでも・・・ピエロの為に鳴り響きました・・・。』

 

 

 

 

 

 

 

 


三幕         了

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気分によって一人称が変わります、普段は『俺』や『私』ですが、時折、変化してます。

性格は基本的に大らかな性格のへたれです。

名前に関しては偽名です。
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